店舗・販売管理
目次
1.店舗立地戦略(小売業)に関する基礎的知識
1.1.店舗施設に関する法律知識
1.2.商業集積と商業立地(立地戦略)
1.3.店舗施設戦略
2.マーチャンダイジング戦略(小売業)
3.プロモーション戦略(小売業)
4.販売・流通情報システム(小売業)
5.卸売業のマーケティングミックス
6.商店街と共同店舗(商店街のマーケティングミックス)
―――――― 本文 ――――――――
1.店舗立地戦略(小売業)に関する基礎的知識
1.1.店舗施設に関する法律知識
街づくり3法・・・都市計画法、大規模小売店舗立地法、中心市街地活性化法
都市計画法
・都市計画区域について、地域・地区・街区で必要なものを定める
・都市計画区域は線引き都市計画区域と非線引き都市計画区域に分けられる。
(市街化区域と市街化調整区域に線引きされていない区域)
・線引きは都道府県の作成する都市計画マスタープランで定められる。
・都市計画区域では線引き都市計画区域と非線引き都市計画区域のどちらでも用途地域を指定することができる。
・準都市計画区域・・・無秩序に建物が建つのを避けるため市町村が都市計画区域外に
準都市計画区域を指定し、用途地域などを設けることができる
・都道府県知事の開発許可
原則不要・・・市街化区域、非線引き都市計画区域、準都市計画区域
必要・・・1ha以上の大規模開発
大規模小売店舗立地法
・店舗面積1,000u超
・周辺生活環境の保持について適正な配慮をして、維持・運営を行う
(交通関係、騒音関係、廃棄物関係、街並みづくりへの配慮)
(立地の変更はできない)
地域住民の意見を反映
・運用主体は都道府県、政令指定都市であり、条例により地域独自の規制も可能
・対象は小売業であり、飲食店・理髪店は対象外。
中心市街地活性化法
・適用条件
@ 小売業者の集積、都市機能の集積があり、市町村の中心としての機能を果たしていること
A 機能的な都市機能の確保、経済活力の維持に支障を生じ、またはおそれがある
B 市街地の整備改善、商業の活性化を一体的にすすめることがその地域の発展に有効
・市町村の役割
市街地の整備改善、商業の活性化を一体的推進に関する基本計画を作成
・TMO(認定構想推進事業者)・・・商工会、商工会議所、または第3セクターが市町村より認定される
・TMO計画(中小小売商業高度化事業)・・・TMOと商店会などの民間事業者が作成、国が承認する
・中心市街地活性化法の支援
@TMO計画の作成やTMO事業運営・経営基盤確立に関する支援
ATMO等による事業に関する支援
中心市街地商業活性化推進事業(TMOなどが行うコンセンサス形成事業、
テナントミックス事業、広域ソフト事業)
中小商業活性化総合補助事業(TMO、商店街振興組合が行う商業施設
などの整備、活性化に向けたソフト事業)
リノベーション事業
・・・TMO計画に基づいて施設の整備とそれと一体的に行うソフト事業
リノベーション補助金が出る
都市型新事業
・新商品・新サービスの提供、またはその方式の改善を行う事業
・中心市街地における事業構造の高度化または国民生活の利便の増進に寄与するもの
建築基準法
・大規模の模様替え・・・主要構造物の1種以上について行う過半の模様替え
・建ぺい率の計算
商業地域、近隣商業地域の建ぺい率
--- 特例を除き8/10以下
車庫 --- 建ぺい率の計算に含まれる(但し、延べ床面積の1/5以内の時)
容積率の計算には含まれない
軒やひさし --- 端が1m以上ある場合、1mを除いた部分が建築面積に含まれる
同一敷地内に2つ以上の建物がある場合、合計の建築面積を用いて計算する
・特例容積率適用区域制度
一方の土地の未利用部分の容積率をもう一方の土地の容積率に上乗せできる
消防法
食品衛生法
食品衛生法上の営業許可 --- 都道府県知事の許可
青果物販売は対象外
1.2.商業集積と商業立地(立地戦略)
都市機能と商業集積
店舗立地の条件
この分野は最近の一次試験には出題されいない
1.3.店舗施設戦略
1.3.1.個別店舗の基本機能
@宣伝訴求機能 --- 店舗の存在を消費者に知らせる機能 --- 看板、店舗外装
A導入(誘導)機能 --- 店内の見通し
B展示機能 --- 商品配置
C巡回機能 --- 通路幅
D選択機能 --- 消費者が選びやすく手にとりやすくするための機能
E販売(購買)機能 --- 消費者が買いやすくするための機能
1.3.2.動線計画
・店内の動線・・・客動線、従業員動線、商品搬入動線に分けられる
従業員動線・・・接客動線と作業動線
客動線 --- 訴求→導入→販売という一連の機能に沿った客の行動線
・出入口を多くとりすぎると、スペース制約となり、動線のコントロールがしにくくなる
・買回り品のみならず、最寄品も客動線が長いほど来店客の購買機会が増大する
1.3.3.店舗設備と什器
・ファサード(店頭とパラペットを併せた正面外観の総称)
店頭(シャッターを下ろした時に隠れる部分)
パラペット(店頭の上の部分)
・店舗前面の道路が狭い場合は、パラペット看板より袖看板のほうが目に留まりやすい
・店頭閑地(フロントスペース)・・・駐車場、特売場、コミュニティスペースとして使用できるといった効果があり、顧客誘導機能の向上が期待できる
・什器の種類
@
ゴンドラ・・・数段の棚がある陳列台
A
冷凍・冷蔵ケース・・・オープン型とクローズ型がある
リーチインケースやウォークインケース・・・ガラス扉付きの冷蔵・冷凍ショーケース。
一時的に混み合うスーパーマーケットには向かず、コンビになどで使われる
B
ワゴン・・・量感陳列のために使われる中置什器
C
ハンガー台・・・衣類陳列用
D
ショーケース・・・宝石店などで用いられる
1.3.4.店舗レイアウト(形状)
直線型レイアウト・・・間口が狭く、奥行きのある店舗形態。食料品や日用雑貨などの最寄品に適している
横型レイアウト・・・店頭販売を中止に横に広がった作業スペースを必要とする精肉店、鮮魚店などに適している
屈折型レイアウト・・・ゆっくりと時間をかけて商品を選ぶことができる。洋服や靴などの買回り品に適している
囲み型レイアウト・・・中央部分にケースなどのスペースを持ち、それを囲む形で客動線が描かれる
1.3.5.商品陳列とディスプレイ(照明、色彩、陳列、ディスプレイ)
照明
色温度 --- 色温度の単位はケルビン数値で表される
高いほど青っぽく、低いほど赤っぽい
蛍光灯は色温度が高く、白熱灯は色温度が低い。
(白熱灯は3000K、日光は6000K)
照度 --- 距離の2乗に反比例する
照明の方法 --- 直接照明、間接照明、半間接照明
蛍光灯は白熱灯に比べ、まぶしさが少なく照明効率が高いが、演色性が低く多少ちらつきがある、といった欠点がある。
・温度要素(体感温度の変化要因)・・・温度、湿度、風速、放射熱
色の3要素 --- 色彩、色相、明度
色彩 --- 同一色の鮮やかさの度合い(白、灰、黒 --- 無採色)
色相 --- 個別の色合い、色どり(色相環において対面にある色どうしが補色関係にある)
明度 --- 同一色の明るさの度合い(白⇔黒)
陳列の機能
@顧客の購買を促進する
陳列が重要な役割を果たすのは購買心理プロセスのうちの認知プロセス
購買心理プロセス・・・認知、欲望形成、説得
A市場における小売店舗としての地位を強化する
ゴールデンゾーン --- 商品販売に最も有効な高さ
男性 70 〜160cm
女性 60 〜150cm
POP陳列(Point of Purchase)
最寄品など、消費者が店内で購買を最終決定する場合に有効な陳列法
ジグザグ配置
商品をそれぞれ異なる高さに配置する陳列方法
女性用の宝石、化粧品、小物アパレルに適している
陳列棚と通路のバランス
・商品のファイス数を多くするには陳列棚を多くする必要があるが、増やしすぎると通路が狭くなり、来店客の目に留まりづらくなる。→通路と陳列のバランスあるレイアウトが望ましい。
・幅広い通路ほど客動線が伸びる傾向にある
2.マーチャンダイジング戦略(小売業)
マーチャンダイジング戦略はGMROI(商品投下資本粗利益率)の向上をめざす
売り上げ総利益 ・・・売価ベース
GMROI=――――――――――ー
平均在庫高(原価) ・・・原価ベース
売り上げ総利益 ・・・売価ベース
交差主義比率=―――――――――
平均在庫高(売価) ・・・売価ベース
商品予算計画
売上高予算計画
在庫高予算計画
・基準在庫法
月初計画在庫高=当月計画売上高 + 基準在庫
=当月計画売上高 + 年間平均在庫高 − 月平均売上高
減価予算計画
値入高予算計画
値入額 = 売価 − 減価
値入額
売価値入率 = ―――――― × 100%
売価
値入額
原価値入率 = ―――――― × 100%
原価
仕入高予算計画
SKU(Stock
Keeping Unit)
ブランド、タイプ、サイズなどすべてが同一の商品
在庫管理や陳列管理はSKU単位で行う
SKUあたりの在庫量増加 → 品切れ防止
推定品切量
品切率 = ―――――――――――
販売量 + 推定品切量
販売量
サービス率 = ―――――――――――
販売量 + 推定品切量
プライベートブランド
流通業者の独自の仕様に基づいてメーカーに生産を委託したもの
ストアブランド
ナショナルブランドと同じ商品に小売店独自のブランドを付したもの
プライスライン政策
・商品をいくつかの価格段階に整理し、以下の効果を期待する
@顧客の購買選択の容易化
A管理の合理化
B販売の促進
・買回品に適している(最寄品は慣習価格が多く、プライスラインを設定する効果が薄い)
3.プロモーション戦略(小売業)
ISM(インストア・マーチャンダイジング)
インストアプロモーション
価格主導型(特売、エンド陳列、ちらじ・クーポン配布など)
非価格主導型(クロスマーチャンダイジング、デモンストレーション販売、
サンプル提供、ノベルティ提供)
スペースマネジメント
スペースアロケーション(フロアマネジメントともいう、
回遊性の高いレイアウト、動線計画)
プラノグラム(棚割計画)(グルーピング、ゾーニング、フェイシング)
・ISMが重視されるようになった背景としてセルフ販売業態における、計画購買の減少が挙げられる
・ISMは客単価の向上を狙うものである
売上高=顧客数×来店頻度×客単価
客単価=商品単価×買上点数
買上点数=動線長(滞留時間)×立寄率×視認率×買上率×個数
・クロスマーチャンダイジング・・・関連性の高い商品を陳列して売上拡大を図る手法
・マーケットバスケット分析
併買分析とも言われ、買い上げ点数アップをめざすために行う分析
FSP(Frequent
Shoppers Program)
より利用頻度の高い顧客に対し、より多くのインセンティブを提供し、顧客満足度の向上とロイヤリティーを高めようとする手法
・RFM分析
--- 最新買い上げ日、買い上げ頻度、買上金額によって顧客の価値を測定する手法
・デシル分析
--- 自社の顧客を上位から10分割して顧客構成比と売上構成比を分析する手法で、
貢献度の高い顧客を判別できる。
パネルデータ --- 調査のために抽出された固体から得られる回答データ
アンケートなどの回答データ
4.販売・流通情報システム(小売業)
4.1.POSシステム
POS関連データ
@基本POSデータ
単品ごとに取得された販売データ
Aコーザルデータ
天候や気温、地域の催事の有無、競合店の特売状況など。通常は店舗ごとに事前にストアコントローラーに打ち込んでおく
Bスキャンパネルデータ
顧客ごとの属性や購買履歴データ。通常は顧客カード発行により収集管理する。
POSシステム導入のメリット
・ハードメリット
レジ業務の効率化(チェックアウト時間短縮、ミスの削減)
店舗業務の効率化(売場伝票削減、値札付け、値札替え作業省力化
・POSデータ活用によって得られるソフトメリット
売れ筋情報の把握による欠品防止、
死に筋情報の把握による在庫削減、
陳列・ロケーションの適正化
プライスルックアップ
ソースマーキングやインストアマーキングで、価格をバーコードに入れない方式のこと
レジのスキャナーでバーコードを読み取り、ストアコントローラーに問い合わせして価格情報を探し出す方式
4.2.バーコードなど
JANコード(Japanese Article Number)
・わが国共通の商品コードとしてJISで規格化されている
・世界各国で加盟しているEAN(European Article Code)コードの日本名称であり、国際的に互換性を有する規格
・標準タイプ(13桁=国コード2桁を含むメーカーコード9桁+アイテムコード3桁+チェックディジット1桁)と短縮タイプ(8桁)の2種類がある。
・POSシステムを通じて小売業の単品管理などに役立てられる。
・インストアマーキングではJANコードとの混同を避けるため最初の2桁は20〜29までとすることが求められている。(インストアマーキングとは特定の店やチェーン、流通経路だけで使用されるコード)
NW7
4本のバーと3本のスペースでひとつのキャラクターを表現する
CODE128
3本のバーと3本のスペースで1文字を表す。主に冷凍食品業界、医療業界で使われている
ASN(Advanced
Shipping Notice)とSCMラベルによる自動検品
・ASN --- 商品を出荷する前に取引先に対してオンラインで送信される出荷案内データ
単体のみの集合梱包 --- ITFコードを付す
混載混合の場合の集合梱包 --- SCMラベル(Shipping Carton Marking)を付す
(SCMラベルは主としてコード128でバーコード化されている)
RFID(Radio
Frequency Identification)
非接触IC技術を使った無線による自動認識システム
無線タグの種類は情報を読むだけでなく、書き込みができるものもある
ICカード
・ICカードにデータを記憶する時は暗号化して格納し、端末との通信には公開鍵暗号方式や共通鍵暗号方式が用いられる
4.3.小売業におけるEOSの効果
・発注作業の合理化
・リードタイムの短縮化
・商品管理精度の向上
5.卸売業のマーケティングミックス
@マーチャンダイシング戦略
例)フルライン供給
小売企業の取扱商品の大部分を供給すること
Aロジスティック戦略
一括納品
1回の納品で全ての商品を店舗に届けること
定期定時配送のメリット
受け入れ企業にとって検品業務や人員配置の効率化
3rd Party Logistics
物流に関するあらゆるサービスを総合的に提供する物流業の新形態
(チェーンストアなどの物流センターの運営は物流専門企業や卸売業などの
3PLが行う場合がある)
Bリテールサポート戦略
6.商店街と共同店舗(商店街のマーケティングミックス)
6.1.商店街の機能と施設
商店街の基本機能
利便性、コミュニティ性、安全性、選択性、情報性、開放性、快適性、娯楽性、文化性
商店街のマーケティングミックス
テナントミックス戦略
ソフト戦略
ハード戦略
6.2.共同店舗の機能と施設
共同店舗のメリット
有利な条件で経営ができる
将来性が生まれ、後継者が確保しやすい
公的助成の導入が可能
複合的機能を持つ施設を併設できるため競争力強化につながる
共同店舗のスタイル
生鮮3品型
総合的商業集積型
スーパーマーケット主導型
ショッピングセンター型
7.今日的テーマ
SCM
・資材調達から生産、物流、販売までに至る複数企業間での業務プロセスをネットワークで結び、関連する企業間の無駄を省いて全体の経営効率を高める考え方
・ECRやQRはSCMの事例のひとつと言える。
・企業の枠を超え、店頭の販売情報を滞りなく生産工程に伝え、なるべく早く商品を供給することによって、全体の在庫圧縮や機会損失の極小化をめざすもの
チェーンオペレーションの原理
@ 本部一括仕入れによる調達面でのコスト優位
A 各店舗における運営面でのコスト優位
店舗フォーマット統一による投資コスト抑制
マニュアル化によるオペレーションの効率化、教育負担軽減
共同による広告宣伝費の削減