新事業開発は1つの科目として成立するには無理があると言われているとおり、他の科目に比べて範囲は狭いです。(平成18年度以降、この科目はなくなるようです。)運営管理に比べると覚えるべき事項は非常に少ないので点数を稼ぐには狙い目の科目と言えるでしょう。1次試験案内の科目内容を見るとその範囲は目次の4までとなっていますが、実際は目次の5.創業支援にあたる部分がかなり多く出題されています。また、他の科目の分野と思われるものも多く出題されています。
目次
1.
企業家の役割と企業家活動
1.1.企業家の特徴
1.2.経済における企業家の役割
1.3.企業経営における企業家の役割
1.4.企業活動の内容
2.
事業機会の発見と評価
2.1.事業機会が生まれる要因
2.2.事業機会の評価(事業家のモチベーション、経営資源との整合性、市場分析など)
3.
ビジネスモデルの構築
3.1.顧客ターゲットの明確化
3.2.製品・サービスの明確化
3.3.事業全体の構成
4.
ビジネスプランの作成と評価
4.1.ビジネスプラン作成の目的(2005年模擬試験)
4.2.エグゼクティブサマリー
4.3.事業コンセプト
5.創業支援
5.1.ベンチャー企業の成長
5.2.ベンチャーキャピタル
5.3.ビジネス・インキュベーション
5.4.政府の創業支援策
本文(サンプル)
1.
企業家の役割と企業家活動
1.1.企業家の特徴
「企業家の特徴」(シュンペーター 企業家とは何か)(2004年本試験)
@ 創意
A 権威
B 先見性
C イニシアティブ
「近代企業家層の類型(シュンペーター 企業家とは何か)(2005年模擬試験)
@ 工場主や商人タイプ(多くの機能を1人で抱え込む)
A 近代的な工業のキャプテン(経営政策の一般的な方向づけだけを行う)
B 雇用契約により就任した役員(十分な所得の追求と個人的名声への強い志向、公務員のキャリアに類似)
C 創業者タイプ
1.2.経済における企業家の役割
「企業家の概念」(シュンペーター 企業家とは何か)(2005年模擬試験)
@ 交換行為の担い手
A 生産手段の供給者間の仲介者(労働者と土地所有者の仲介者)
B リーダーシップの社会的現象の特殊ケース
・リーダーシップについては意志の強さ、知的資質の順に重きが置かれる
・リーダーシップは既存のルーチンにしたがって処理される事項ではなく、
何か新しいことをする時に発揮される
・シュンペーターが企業家と呼ぶものは、新結合の遂行を自らの機能とし、その遂行にあたって能動的要素となるような経済主体である。(2004年模擬試験)
1.3.企業経営における企業家の役割
「5つの新結合」(シュンペーター 企業家とは何か)(2003, 2004年本試験)
新規事業開発はイノベーション=新結合が基礎となる必要がある。
@ 新しい生産物または品質の創出と実現(新しい製品、サービスの開発)
A 新しい生産方法の導入(新しい生産方法の実現)
SCMは新しい生産・販売方法を提案しているので新結合に該当する。
B 産業の新しい組織の創出(新しい産業組織の実現)
C 新しい販売市場の創出(新しい販売方法の実現)
三井越後屋呉服店が行った「店先現金安売無掛値」は新しい販売方法を
提案しているので新結合に該当する。
D 新しい買い付け先の開拓(新しい調達源、調達方法の実現)
生産拠点の海外移転は従来の手法の延長で変化とは言い難く、新結合に該当しない。
「イノベーションの機会」(ドラッカー イノベーションと起業家精神)(2005年模擬試験)(2003年本試験)
@ 予期せぬ成功
A ギャップの存在
B ニーズの存在
C 産業構造の変化
D 人口構造の変化
E 認識の変化*
F 新しい知識の出現
*認識の変化・・・認識の変化は具体的なものであるが、定量化することはできない。定量化できるようになった頃にイノベーションの機会として活用するのは遅すぎる。また、イノベーションの機会としてとらえるためには自ら最初に着手することが必要であり、模倣は役立たない。また、タイミングが非常に重要である。(2004年本試験)
**この7つの機会は信頼性と確実性の大きい順に並べられている。
イノベーションに関する定義(2004年模擬試験)
シュンペーター・・・新結合の遂行、創造的破壊
マーチ=サイモン・・・組織のプログラムの変化
ドラッカー・・・より良く、より経済的な商品、サービスの提供
1.4.企業活動の内容
「起業家戦略」(ドラッカー イノベーションと起業家精神)(2004年、2005年模擬試験)(2003年本試験)
・総力による攻撃・・・多くの起業家が起業家戦略として最高位に位置づけているが、、リスクが大きく成功の確率も低い
・弱みへの攻撃・・・創造的模倣、起業家的柔道
創造的模倣・・・最初にイノベーションを行ったものよりも、そのイノベーションの意味をより深く理解しているためにより創造的となる
起業家的柔道・・・先行者の悪癖を利用して、後発の企業が先行者に対して何度も戦略を成功させるやり方(先行起業の5つの悪癖:@自分が考えたもの以外はろくでもないという考え方、Aいいとこどり、B製品やサービスの価値を顧客が認めるものではなく、供給者がつくりだすものという誤解、C創業者利益なる錯覚、D過剰な機能の追求
・ニッチの占拠
限定した領域で実質的な独占をめざすもの
・価値の創造
顧客の創造こそが事業の目的としたもの
MOT教育(2004年本試験)
米国でMOT教育が導入されたのは1980年代半ばであり、1990年代に入りMOTを学習した多くの人材が研究開発型ベンチャーの起業、経営に挑戦した。
日本では1990年前後に紹介され、技術経営と同義語で使われており、2003年から早稲田大学の大学院にMOT専門のコースが開講された。