中小企業経営・中小企業政策
中小企業経営はほとんどがその前年の中小企業白書からの出題されている。中小企業政策は当年版の中小企業白書の当該年度に講じようとする中小企業施策を中心に学習することが必要である。
当科目は勉強量と得点が比例する科目で得点源にしやすい科目である。
目次
中小企業経営
1.経済・産業における中小企業の役割、位置づけ
1―1.各種統計に見る中小企業
1−2.地域産業
1−3.中小企業性業種
2.中小企業の経営特性と経営課題
2−1.各種統計にみる中小企業経営の特徴
2−2.中小企業経営の質的な特徴
2−3.業種・業態別経営特質
2−4.中小企業の経営環境と経営革新
2−5.中小企業経営における最近の動向
中小企業政策
1.中小企業に関する法規と施策
1−1.中小企業関連法規
1−2.中小企業施策の体系と内容
1−3.中小企業支援体制の実施内容と施策
1−4.新事業創出促進法の体系と施策
1−5.創業・中小企業経営と施策活用
2.制度診断と診断実務
2−1.高度化融資制度と診断実務
2−2.設備導入資金制度と診断実務
本 文
中小企業経営
1.
経済・産業における中小企業の役割、位置づけ
1―1.各種統計に見る中小企業
統計数値の見方
・ 中小企業は大企業に比べばらつきが大きいため、平均値は中小企業の標準的な姿を必ずしも反映していない
・ 中小企業の規模に関する統計値は平均値よりも大きい(統計数値の分布は左右対称でなく左側に歪んでいる)
中小企業者の数
・
個人事業者数約320万人、会社数160万人、合計480万(2003年本試験)(2002年版中小企業白書)
・
わが国の企業数は1981年を100とした場合、2000年の企業数は88.5となっている。(2006年本試験)(2005年版中小企業白書)
・上場・店頭登録企業のうち、およそ3分の1が従業員数300人以下の企業であった
この数は中小企業全体の0.07%に相当する
・日本の自営業者比率(9.4%)は200年にはG7諸国の平均(10.9%)を下回った
業種別事業者数
総務省「事業所・企業統計調査」(事業所ベース)(2004年版中小企業白書)(2005年模試)
1999年から2001年に中小事業所の従業者数が増加している業種・・・飲食店
総務省「事業所・企業統計調査」(企業所ベース)(2004年版中小企業白書・付属統計)(2005年模試)
企業数ではサービス業が最も多く、小売業、飲食店、製造業、建設業の順になっている
(2003年本試験ではこの一番最後に卸売業が続いている)
企業数が増加しているのはサービス業と建設業、減少しているのは商業、製造業(2006年本試験)(2005年版中小企業白書)
新興市場の新規公開企業の業種(2002年から2004年)
サービス業26.0%(急増)、商業25.5%(なだらかな減少傾向)、
情報通信17.6%(急増)、製造業17.1%(急減)
(2006年本試験)(2005年版中小企業白書)
業種別輸出動向
中小企業庁「規模別産業連関表」(2004年版中小企業白書p13)(2005年模試)
直接輸出比率が大企業よりも高い業種・・・金属製品工業
間接輸出比率よりも直接輸出比率の方が高い業種
・ ・・一般機械工業、電気機械工業、精密機械工業
直接輸出比率 間接輸出比率
中小企業 9.1% 11.2%
大企業
20.6% 13.3%
業種別設備投資動向(2004年版中小企業白書p24)(2005年模試)
中小企業庁「商業・サービス業設備投資動向調査」など
2001年から2003年にかけて毎年増加している設備投資・・・機械・装置
2000年から2003年にかけて一貫して増加している設備投資目的
・・・更新・維持・補充、新製品・新規事業・研究開発
業種別倒産動向(2003年、2004年版中小企業白書p20、p35)(2004年本試験、2005年模試)
・ 2000年以降、2002年まで毎年19,000件前後の企業が倒産している
・ 2002年(18,687件)から2003年(15,877件)にかけて大きく減少
・2000年から2002年までの倒産動向(形態別)
銀行取引停止処分が減少傾向、破産などの法的申立が増加傾向にある。(2004年本試験)
法的申請の高止まりと銀行取引停止処分の減少(2005年模擬試)
2003年の破産は5,436件(前年比1%増)と法的申立の中で最も多い
・倒産件数が最も多い業種は建設業(31.3%)、最も少ない業種はサービス業(17.9%)
・廃業に占める倒産の割合は9%であり、倒産後も事業を継続している企業が32%ある(2003年版中小企業白書p121)
産学官連携における相手先(2003年版中小企業白書P205)(2004年本試験)
公設試験研究機関(52.7%)、国立大学(43.1%)、私立大学(21.7%)、国立試験研究機関(10.5%)
1−2.地域産業
産地(2004,2006年本試験)
・定義・・・同一の立地条件のもとで、同一業種に属する製品を生産し、全国や海外に販売している多数の企業集団
・産地集積のメリット・・・適切な分業体制
・代表的な産地
新潟県燕市(金属洋食器)、福井県鯖江市(眼鏡枠)、兵庫県西脇市(綿スフ織物)
・出荷額1位の業種の占める割合が高い地域ほど、製造業出荷額の伸び率が高い。
コミュニティビジネスの特徴(2004年版中小企業白書P205)(2004年本試験)
・ 地域住民が主体
・ 利益最大化を目的としない
・ コミュニティが抱える課題やニーズに対応している
・ 地域住民が働く場所を提供している
・ 継続的な事業体である
・ 行政から独立した存在である(NPO法人が8割を占める)
1−3.中小企業性業種
1.
中小企業の経営特性と経営課題
2−1.各種統計にみる中小企業経営の特徴
財務指標(2002年版中小企業白書 付属統計資料)(2003年本試験)
中小企業のほうが高い指標
中小企業 大企業
98 99
2000 98 99 2000
当座比率 64.3% 72.1% 78.1% 71.2% 73.6% 69.3%
大企業のほうが高い指標
中小企業 大企業
98 99 2000
98 99 2000
売上高経常利益率 0.9%
1.6% 1.7% 2.2% 2.7% 3.7%
総資本経常利益率
1.1% 1.2% 2.0%
2.0% 2.6% 3.0%
労働装備率 820
821 756 2193
2197 2258
付加価値額シェア(2003年版中小企業白書p50)(2004年本試験)
中小企業の付加価値額のシェアが平均より高い業種
・・・繊維(81.0%)、衣服(89.2%)、プラスチック(65.2%)、金属製品(71.9%)
付加価値率(2003年版中小企業白書 付属統計資料)(2004年本試験)
・ 全体的に中小企業の方が大企業より付加価値率が高い
・ 業種別で見るとサービス業では逆になる
中小企業 大企業
(13年)
サービス業 35.9% 38.0%
製造業 27.5% 22.3%
建設業 22.3% 14.9%
卸・小売業 15.1% 13.6%
SOHO事業者(2004年版中小企業白書p96)(2005年模試)
本業でやっているのは6割
開業動機・・・自由に仕事がしたかった
「小規模企業経営者の引退に関する実態調査」(2004年版中小企業白書p219)(2005年模試)
廃業前の経営状態・・・債務超過、資産負債同等かつ2期連続赤字
経営者が廃業を躊躇する主な理由(2004年版中小企業白書p223)(2005年模試)
・ プライド
・ 根拠のない景気循環論
・ まだまだ資産がある
・ 廃業後の生活の目処が心配
2−2.中小企業経営の質的な特徴
ニューサービス業者が市場参入時の障壁としてあげたのは「顧客の確保」が最も多い(2004年版中小企業白書p67)(2005年模試)
大学発ベンチャーの特徴2004年版中小企業白書p84)(2005年模試)
・創業資金は比較的小さく、資本金は大きい
・ 潜在的市場規模は大きい
・ 創業時点では研究開発中で現在も事業化に至っていない
・ 経営陣の経歴が多彩
コミュニティビジネスの特徴(2004年版中小企業白書p107)(2005年模試)
・ 地域住民が主体
・ 利益最大化を目的としない
・ コミュニティの抱える課題や住民のニーズに応えるため財・サービスを提供する
・ 地域住民の働く場所を提供する
・ 継続的な事業である
後継者教育に関する実態調査(2004年版中小企業白書p179)(2005年模試)
承継後に苦労した内容
・ 従業員との信頼関係の確立
・ リーダーシップの発揮
2−3.業種・業態別経営特質
2−4.中小企業の経営環境と経営革新
中小企業経営革新支援法の承認企業の特徴(2006年本試験)
――― 従業員数20人以下が48.3%
業種別では製造業が48.6%を占める。
目標達成企業の割合は3〜4割であり、
特に規模の小さい企業の達成率が高い
2−5.中小企業経営における最近の動向
業績回復企業と業績低迷企業(2004年版中小企業白書p238)(2005年模試)
・ 業績回復企業では売上高に対する変動費の割合が減少しているが、業績低迷企業ではその割合は横ばいか増加している。
・ 業績回復企業、業績低迷企業とも固定費削減に取り組んでいるが、両者の間に大きな差は見られない
・ 業績回復企業、業績低迷企業とも従業員増加率に大きな差は見られない
・ 業績回復企業は業績低迷企業に比べ一人当たり人件費増加率は高い。
中小企業政策
1.
中小企業に関する法規と施策
1−1.基本理念(中小企業基本法第3条)
多様で活力ある成長発展・・・わが国経済の活力の源泉
中小企業に期待される役割(2005年模試)
・ 新たな産業の創出
・ 就業機会の増大
・ 市場における競争の促進
・ 地域における経済の活性化
中小企業の定義(2003・2004・2006年本試験、2005年模試)
製造・建設・運輸・・・資本金3億円以下または従業員300人以下
卸売業・・・資本金1億円以下または従業員100人以下
サービス業・・・資本金50百万円または従業員100人以下
小売業・・・資本金50百万円以下または従業員50人以下
小規模企業の定義(2005年本試験)
20人以下、但し、商業・サービスは5人以下
1−2.基本方針(中小企業基本法第5条)(2005・2006年本試験)
@ 経営の革新および創業の促進
A 中小企業の経営基盤の強化
B 経済的社会的環境の変化への適応の円滑化(セーフティネットの整備)
C 資金供給の円滑化および自己資本の充実
1−3.基本的施策(中小企業基本法第2章)
第1節 経営の革新および創業の促進・・・関連法規:中小企業新事業活動促進法
12条 経営革新の促進
プロダクトイノベーション、プロセスイノベーション、
新たな経営管理方法導入を促進
13条 創業の促進
創業に関する情報の提供・研修の充実
創業資金の円滑な供給
創業に関する社会的環境整備
14条 創造的な事業活動の促進
ストックオプション制度
創造的中小企業支援事業、新事業育成貸付、新事業開拓助成金
第2節 中小企業の経営基盤の強化
15条 経営資源の確保
関連法規:中小企業支援法、小規模企業等設備導入資金助成法、
中小企業新事業活動促進法
中小企業技術革新制度、中小企業大学校
16条 交流・連携および共同化の推進
関連法規:中小企業新事業活動促進法
中小企業等共同組合法、中小企業団体の組織に関する法律
商店街振興組合法
高度化事業
17条 産業集積活性化
関連法規:地域産業集積活性化法
18条 商業集積活性化
関連法規:中心市街地活性化法、中小小売業振興法、
中小企業流通業務効率化促進法
19条 労働に関する施策
20条 取引適正化
関連法規:下請代金支払遅延防止法、下請中小企業振興法、
中小小売商業振興法(ボランタリーチェーン関連)
21条 国などからの受注機会増大
第3節 経済的社会的環境の変化への適応の円滑化
22条 経済的社会的環境の変化への適応の円滑
中小企業倒産防止共済制度、小規模企業共済制度
第4節 資金供給の円滑化および自己資本の充実
23条 融資・信用補完事業の充実、適正な融資の指導など
24条 投資の円滑化、租税負担の適正化など
中小企業投資育成会社法、中小企業等投資事業有限責任組合法
1−4.中小企業の法人税(16年度版中小企業施策総覧)(2004,2005年本試験)
資本金1億円以下
所得金額800万円以下の部分・・・22%
所得金額800万円超の部分・・・30%
資本金1億円超の企業
全額・・・30%
公益法人および協同組合・・・全額22%
交際費の一部損金不算入(2004,2005年本試験)