経済学・経済政策
この科目は理論として役に立つものもありますが、現実的には考えにくい条件を前提として理論を組み立てているため理解を困難にしているものが多いです。役に立たない理論ほど理解が困難で時間を要するので、ある程度切り捨てていくことも必要と考えます。以前に比べると実際の経済に即した問題が増えてきたと言えますが、覚えるだけであとは何の役にも立たない理論が多いのがこの科目の特徴ではないでしょうか。
目次
1.
国民経済計算の基本的概念
1.1.国民所得概念と国民経済計算
1.2.貯蓄と投資、総需要と総供給
2.
主要経済指標の読み方
2.1.GNPとGDP、鉱工業生産指数、消費者物価指数、国内企業物価指数、景気動向指数
2.2.雇用統計、工業統計、商業統計
2.3.産業連関表
3.
財政政策と金融政策
(IS-LM曲線、雇用と物価水準、マネーサプライ、資本・金融市場、政府支出と財政政策、貨幣理論と金融政策、景気変動と景気循環)
4.
国際収支と為替相場
(比較生産費と貿易理論、国際収支と為替変動、国際資本移動と国際資金フロー)
5.
主要経済理論
(ケインズ理論、サプライサイド理論、マネタリズム、新古典派理論、新保守主義と規制緩和)
6.
市場メカニズム
(需要・供給・弾力性の概念、市場均衡、競争的市場の資源配分機能、市場の失敗〔不完全競争、外部効果、公共財〕)
7.
消費行動と需要曲線
(効用理論、予算制約と消費者の選択行動、代替効果と所得効果)
8.
企業行動と供給曲線
(利潤最大化仮説、生産指数と限界生産性、費用曲線とサンクコスト、収穫逓増・逓減、規模の経済・範囲の経済)
9.
不完全競争と競争促進政策
(市場構造と競争モデル、独占の弊害、寡占下の協調行動、製品差別化と独占的競争、参入障壁と市場成果、産業組織と独占禁止政策、中小企業と産業政策)
10.
市場と組織
(取引費用概念、プリンシパル・エージェント概念、情報の不完全性)
本 文
1.国民経済計算の基本的概念
1.1.国民所得概念と国民経済計算(2005年模擬試験)(2004年本試験)
国内総生産(GDP)・・・日本国内で生産された付加価値の総計(生産面から見たGDP)
* 付加価値は各生産段階における算出額から中間生産物の投入額を差し引いたものである。
* 株式や土地などの資産の取引で得た所得は付加価値とはみなされずGDPには計上されない。
* 帰属計算の考え方によれば、農家が自家消費のために生産した農作物はGDPに形状される。(帰属計算・・・実際には取引されていない財について、あたかも取引されたかのように擬制して計上すること)
国民総生産(GNP)・・・国内外を問わず日本の居住者の所得として計上された付加価値の総計
* 国民総生産(GNP)=国内総生産(GDP)+海外からの純要素所得
* GNPは生産というより所得という観点を重視する指標である。このため、GNPはGNIと名称が変更されている。
国民純生産(NNP)=国民総生産(GNP)― 固定資本減耗
国民所得(NI)= NNP − 間接税 + 補助金
三面等価の原則・・・生産・分配・支出面から見たGDPが事後的に等しくなること
分配面から見たGDP(2004年模擬試験)
=雇用者報酬+営業余剰・混合所得+固定資本減耗+間接税―補助金
支出面から見たGDP
=民間消費+政府支出+総固定資本形成+在庫品増加+輸出−輸入
1.2.貯蓄と投資、総需要と総供給
45度線モデル
・・・財市場のみに着目し、国民所得の決定メカニズムを説明する単純なモデル
総供給=消費+貯蓄
(供給された財は必ず売り切り、所得となり消費と貯蓄に分配されるため)
総需要=消費+投資
=限界消費性向 × 所得 + 基礎的消費 + 投資
縦軸を総需要と総供給、横軸を国民所得としたもの。価格の下方硬直性を仮定しているため、政府による需要の創出が重要と考える。(2005年模擬試験)
2.主要経済指標の読み方
2.1.GNPとGDP、鉱工業生産指数、消費者物価指数、国内企業物価指数、景気動向指数
先行系列指数
新設住宅着工面積、新規求人数(2002年本試験)
一致系列の指標(2004年本試験)
鉱工業生産指数、有効求人倍率(2002年本試験)
一般に一致系列のDIが50%を上回れば、景気は拡大局面にあると言える。
一致系列のDI・・・各指数について3ヶ月前と比較し、改善されていればプラス、悪化していればマイナスとして、以下の式で計算する(2004年本試験)
+となっている指数の数
DI= ―――――――――――――― × 100
採用系列指数全体の数
遅行系列指数
法人税収入、完全失業率(2002年本試験)
稼働率指数=生産量/生産能力量 (2005年模擬試験)
設備の稼動状況を表す
価格指数
・ラスパイレス指数・・・基準時点の数量に基準時点の価格をかけたものと比較時点の価格をかけたものを比較し、算出する方式(消費者物価指数も企業物価指数もラスパイレス指数である)(2004年模擬試験)
・パーシェ指数・・・比較時点の数量に基準時点の価格をかけたものと比較時点の価格をかけたものを比較し、算出する方式
2.2.雇用統計、工業統計、商業統計
SNA(国民所得統計)(2004年模擬試験)
・帰属家賃を消費および所得に含めるため、消費および所得が実際の額よりも大きくなる。
2.3.産業連関表
*産業連関表は一番右の列と一番下の行の値が等しくなるということを押さえておけば、解答可能(2005年模擬試験)
3.
財政政策と金融政策
(IS-LM曲線、雇用と物価水準、マネーサプライ、資本・金融市場、政府支出と財政政策、貨幣理論と金融政策、景気変動と景気循環)
3.1.IS-LM曲線(2004年模擬試験)
・ 政府支出が増加するとIS曲線は右へシストする
・ 物価が上昇するとLM曲線は左へシフトする(名目でなく、実質貨幣需要のため)
LM曲線(2003年本試験)
・ 貨幣市場の需要と供給を一致させる利子率と国民所得の組み合わせである。
・ 貨幣需要は取引需要と資産需要からなる。
・ 縦軸に利子率、横軸に国民所得をとると右肩上がりとなる。(貨幣供給が固定の場合、国民所得が増加すると、利子率が上昇することで貨幣市場の需要と供給の一致が保たれる)
・ LM曲線の傾きは利子弾力性が大きいと緩やかになる。
・ 貨幣需要の利子弾力性が無限大(国民所得に関係なく利子率は一定)になり、貨幣の流動性選好が水平になる状態を「流動性のわな」と呼び、金融政策が機能しない状態となる。(人々が債券を買おうとせず、財産を貨幣の形で保有し続ける状態。債券価格が上限に達している状態。)
・ 貨幣供給が固定されている時、国民所得が増加すると利子率が上昇して、貨幣市場の需要と供給が一致する。
・ 貨幣供給が増えると、貨幣市場の需給が均衡するには国民所得が増加するか、利子率が低下する必要があるので、LM曲線は右下へシフトする。
マンデル=フレミングモデル・・・海外との財や資本の移動を考慮に入れて財政金融政策を考えるもので、IS−LMの応用モデルである(2002年本試験)
・ 固定相場制では金融政策は機能せず、財政政策は機能する
・ 変動相場制では金融政策は機能するが財政政策は機能しない
3.2.雇用と物価水準
フィリップス曲線(2002年本試験)
失業率と名目賃金上昇率の関係を表した曲線
3.3.マネーサプライ(2005年模擬試験)
M1=現金+要求払預金(日銀の直接管理下にない郵便貯金、農協、信用組合の預貯金は除く)
M2=M1+定期性預金(郵便貯金、農協、信用組合の預貯金は除く)
M3=M2+郵便貯金、農協、信用組合の預貯金
付胎化政策(2002年本試験)
日銀が円売りドル買い介入を行った場合、そのままだとマネーサプライの増加につながるので、円資金を吸収するオペレーションを併せて行うこと
3.4.政府支出と財政政策
乗数効果・・・外生的な投資、政府支出の増加、減税などが、その何倍もの国民所得の増加をもたらすという効果。
投資乗数
投資乗数と政府支出乗数は租税の有無に拘らず同じ値となる。(2005年模擬試験)
投資乗数=1/限界貯蓄性向=1/(1−限界消費性向)(2002年本試験)(2005年模擬試験))
投資額×1/(1−c)だけ国民所得を増加させる効果がある(投資の乗数効果)
投資乗数は利子率に拘わらず一定である(2005年模擬試験)
リカードの等価定理・・・減税をしても、消費者は将来の増税を予測し、消費行動は変化しないという理論(2002年本試験)
3.5.貨幣理論と金融政策
信用創造(2004年本試験)・・・預金・貸出というプロセスが繰り返されることによって、マネタリーベース(ハイパワードマネー)の何倍ものマネーサプライが生じること
貨幣乗数(2003年本試験)・・・マネタリーベース(ハイパワードマネー)が増加した時のマネーサプライの増加の割合
マネーサプライ = マネタリーベース × 信用乗数
3.6.景気変動と景気循環(2003年本試験)
キチンの波(在庫循環)40ヶ月
ジュグラーの波(設備投資循環)10年
グズネッツの波(建築循環)20年
コンドラチェフの波(技術進歩循環)40年
4.
国際収支と為替相場
(比較生産費と貿易理論、国際収支と為替変動、国際資本移動と国際資金フロー)
経済財政白書P.164(2005年模擬試験)
@ 為替レートの変化に対する円換算後の輸出価格への影響は低下している
A 輸出価格の輸出数量に対する影響である「価格効果」は上昇している
B 輸入価格の輸入数量に対する影響である「価格効果」も上昇している
5.
主要経済理論
(ケインズ理論、サプライサイド理論、マネタリズム、新古典派理論、新保守主義と規制緩和)
古典派(2004年本試験)・・・アダム・スミスの見えざる手
貨幣市場の分析に関し、貨幣数量説を前提とする
貨幣数量説では、貨幣需要は所得に依存するという考え
完全雇用を前提とすると、名目貨幣供給が増加すると、物価水準が同率で上昇する
ケインズ派(2004年本試験)・・・短期的には市場メカニズムは働かない。(総需要管理政策)
貨幣市場の分析に関し、流動性選好理論によると
貨幣需要は所得のみならず、利子率の水準にも依存する。
貨幣需要は所得の増加ならびに利子率の低下に伴い増加する
財政均衡にこだわらず、財政支出拡大や金融緩和による景気拡大を図る
ケインズ型消費関数(2005年模擬試験)・・・ 所得の増加分のうち一定の割合を消費にまわし、残りを貯蓄すると仮定している(限界貯蓄性向は一定)
新古典派・・・市場メカニズムによる需要と供給の調整機能を万能と見る
小さな政府・サプライサイド重視
サプライサイド経済学やマネタリズムも新古典派の一派
サプライサイド理論(2005年模擬試験)
・規制緩和や減税により供給側である企業を刺激することにより経済成長を図ろうとする考え方である。
・マネタリストもサプライサイド経済学派も価格による調整に信頼を置く考え方に基づいている。
マネタリズム(2005年模擬試験)
・通貨の安定供給を通して経済成長を図ろうとする考え方である
・ケインズが主張する総需要管理政策は長期的には無効である(理由:利子率の上昇により投資や消費が抑制されるため)
・マネタリストもサプライサイド経済学派も価格による調整に信頼を置く考え方に基づいている。
6. 市場メカニズム
(需要・供給・弾力性の概念、市場均衡、競争的市場の資源配分機能、市場の失敗〔不完全競争、外部効果、公共財〕 )
6.1.需要の価格弾力性(2003年本試験)(2004年模擬試験)
ある財の価格が100円の時、需要が200単位ある。これを半額で売ると需要が3倍になる
この時、この財の需要の価格弾力性はいくらか。
需要の変化率 2.0
需要の価格弾力性 = ―――――――― = ――― = 4.0
価格の変化率 0.5
50- 100
600-200
価格の変化率=――――― = -
0.5 需要の変化率 = ――――― = 2.0
100 200
・代替財が存在すると、その財の需要の価格弾力性は大きくなる
6.2.市場均衡
ワルラスの調整過程・・・価格による調整(2004年模擬試験)
超過需要→価格上昇
超過供給→価格低下
マーシャルの調整過程・・・供給量による調整(2004年模擬試験)
需要者価格>供給者価格 → 供給量増加
需要者価格<供給者価格 → 供給量減少
余剰分析(2003年、2004年本試験)
輸入品の価格が関税により引き上げられた場合、消費者余剰(価格の軸と需要曲線、輸入品価格の線で囲まれた部分の三角形)が関税の分だけ小さくなる。
生産者余剰(価格の軸と供給曲線、輸入品価格の線で囲まれた部分の三角形)は関税の分だけ大きくなる
6.3.競争的市場の資源配分機能
パレート最適・・・エッジワースの箱において、2つの財をAとBの2人で過不足なく分配するのは、2人の無差別曲線の限界代替率が一致するときであり、この状態をパレート最適という。また、パレート最適になる点の軌跡を契約曲線という。
6.4.市場の失敗
市場メカニズムが機能する完全競争市場ではパレート最適が達成される。市場メカニズムが損なわれると、パレート最適は保証されず、市場は失敗するという。市場失敗の原因には、外部効果、公共財、費用逓減産業の存在などがある。
(1)外部効果(2004年本試験)、外部性(2005年模擬試験)
ある経済主体が市場取引を経由せずに他の経済主体にプラスやマイナスの効用(便益や費用負担)を与えることを言う。
外部経済・・・ボランティアや介護サービスなど
私的限界費用が社会的限界費用を上回り、過小供給となる
(費用をかけた分の見返りとして十分に得られないため、
社会が要求する需要に対して少ない供給しか行われない)
外部不経済・・・公害のように社会的に迷惑な財が供給されること
私的限界費用が社会的限界費用を下回り、過大供給となる
(負の財の供給にかかる費用を負担しなくてすむため、社会の
需要水準を超えた供給となる)
*これらの過剰供給、過小供給を解消するには、外部効果の内部化とピグー税がある。
外部効果の内部化(コースの定理)・・・売り手と買い手が交渉して解決する方法
取引費用がかからないという前提では、所有権の割り当てだけ行うことで、当事者間の交渉の結果として、@パレート効率的な資源配分が実現しうる、A所有権の割り当ての仕方は所得分配に影響を与えるが、資源配分には影響を与えない、ということを明らかにしたもの。(2004年模擬試験)
例)公害の被害者が加害者である企業から賠償金をもらって解決する
ピグー税・・・政府が税制などで解決する方法
例)外部不経済の加害者から税金を徴収する
福祉サービスに対して国が補助金を出す
(2)公共財
・公共財とは非排除性と非競合財を持つ財である
非排除性・・・対価を支払わずに消費しようとする者を排除できないこと
非競合性・・・1つの財を同時に多くの人が消費できること(放送、道路、公園)
・私的財の需要曲線が個別の消費者の需要曲線が水平方向に足すのに対し、
公共財の需要曲線は個別の消費者の需要曲線が垂直方向に足し合わせる。
・公共財の持つ非排除性からある消費者がフリーライダーとすると、その分だけ
総需要曲線は垂直方向に下がり、市場は失敗し最適な供給量は達成されない。
7. 消費行動と需要曲線
(効用理論、予算制約と消費者の選択行動、代替効果と所得効果)
需要の所得弾力性(2004年模擬試験)
需要量の変化率
= ――――――――――――
所得の変化率
上級財・・・所得の増加とともに財の需要が増加するもの(2003年本試験)
奢侈品・・・需要の所得弾力性が1より大きい財(所得水準に大きく依存する)
必需品・・・需要の所得弾力性が0から1の間
中立財・・・需要の所得弾力性が0
下級財・・・所得の増加とともに財の需要が減少するもの(2003年本試験)
特別なものとして2級酒は所得が低いうちは上級財となるが、高所得者になると下級財となる。(2005年模擬試験)
ギッフェン財(2003年本試験)・・・価格が上昇した時に消費が増える
代替効果と所得効果(2004年本試験)
・異時点間消費選好(2004年本試験)も、現在の消費と将来の消費の間の選択という形を
とっているが、通常の2つの財の間の選択のケースと同様に考えればよい。
・異時点間消費選好では、利子率の変化が相対価格変化に相当する。利子率が上がると将来の消費が増えるが、これは通常のケースでもう一つの財の価格が下落するのと同じ現象と考えればよい。この時、予算制約線は傾きが利子率上昇分だけ将来の消費が増加するように急になるが、予算制約線と無差別曲線の接点も移動する。
・この変化は代替効果と所得効果に分解できる
代替効果は同じ効用の無差別曲線上で傾きが変わった予算制約線と接する点への変化であり、所得効果はその接点から、新たな予算制約線と無差別曲線との接点までの変化を指す。
・無差別曲線は消費者の選好を表す曲線であり、所得に依存しない。所得に依存するのは予算制約線(2004年模擬試験)
ライフサイクル仮説、恒常所得仮説(2004年模擬試験
・ 現在の消費が現在の所得水準だけでなく、将来の所得水準にも依存する
・ 短期的な所得の変動に対して、貯蓄を通じて調整を行うことで、各期の消費を平準化する
ピグー効果・・・物価水準の低下が、人々の保有する貨幣残高の実質的な増加をもたらし、消費を増加させる効果
ラチェット効果・・・所得が下がっても容易に生活水準を下げようとせず、そのため消費もそれほど減少しないこと
8.
企業行動と供給曲線
(利潤最大化仮説、生産指数と限界生産性、費用曲線とサンクコスト、収穫逓増・逓減、規模の経済・範囲の経済)
利潤最大化仮説(前提としている条件が非現実的なため、理解を困難にしている。限界費用は通常は一定であるか、生産量の増大に伴い減少するものであるが、この理論は限界費用が生産量の増加とともに増加していくことを前提にしている。)
・平均総費用が最小となる点が利潤最大化をもたらす生産量としている。
・平均総費用が最小となる点は、原点から総費用曲線に引いた接線の接点であり、平均総費用=限界費用(平均総費用が最小)となる。(2002年本試験)(2004年模擬試験)
・完全競争市場の理論では利潤は発生せず、価格=限界費用としているので、利潤最大化をもたらす点が利潤ゼロとなり、(価格の)損益分岐点ともなる。(2002年本試験)(2004年模擬試験)
・原点から総費用曲線に引いた接線の接点は損益分岐点を示す。(2005年模擬試験)
・価格が平均可変費用と等しくなる(平均可変費用が最小)と固定費用の分だけ赤字となり操業できなくなるため、これを(価格の)操業停止点という。(2002年本試験)(2004年模擬試験)
・ 限界費用曲線は平均費用曲線、平均可変費用曲線の最低点を通過する。
・ 平均費用曲線は平均可変費用曲線の上方に位置する
(問題)プライステーカーである企業の費用関数がC=x2+x+2であらわされる時、その製品の価格が5であるとする。その時、供給量xはいくらか?(2004年本試験)
(解答)
プライステーカーなので価格=限界費用となる
限界費用は総費用を微分すれば求められるので、2x+1となる
したがって、5=2x+1から供給量xは2となる
ナッシュ均衡(2002年、2003年、2004年本試験)
互いに最適な反応を選択し合っている状態
シュタッケルベルク均衡(2003年本試験)・・・リーダーが生産量を決め、フォロワーが重受動的に生産量を決めるときの競争による均衡
トービンのq理論(2004年模擬試験
・ 企業の市場での評価に着目して企業の投資決定を説明する理論
・ トービンのqが1より大きければ投資が行われるという理論
企業の市場価値(株価総額+負債総額)
トービンのq= ―――――――――――――――――――
再取得費用(既存ストックの買い替え費用)
9.
不完全競争と競争促進政策
(市場構造と競争モデル、独占の弊害、寡占下の協調行動、製品差別化と独占的競争、参入障壁と市場成果、産業組織と独占禁止政策、中小企業と産業政策)
完全競争の理論、不完全競争のコンテスタビリティ理論(2005年模擬試験)
・ (超過)利潤は存在しない
・ 最小費用での生産が行われる
・ 資源配分の効率性が達成される
・ 価格は限界費用に等しい
完全競争モデルを満たす条件(2005年模擬試験)
(理論の統一のため、実際の家計・企業ではあり得ないと思われる想定がされている。)
・ 取引主体の多数性(個々の取引は全体に比べ十分小さく、全体に影響を与えうる大企業は存在しない。)
・ 生産差別化がない(同種類の財を作る企業の生産物に質の差異はない。)
・ 取引コストはゼロ
・ 情報の完全性
コンテスタブル市場・・・市場に多数の企業が存在しなくても、潜在的な参入の脅威によって競争原理が働く市場のこと(2004年模擬試験他)
条件:@サンクコストが存在せず、参入退出に伴う費用がない
A既に市場に参入している企業が価格の変更を行うには時間がかかる
→ 潜在的な新規参入の脅威により、既存参入企業が価格支配力を行使するのを困難にしている
独占企業の価格設定(2004年本試験)
・完全競争の場合、価格=限界費用となるが、企業が価格支配力を持つ場合、企業は価格を高めに設定できるので、需要の価格弾力性が低いほど、価格の限界費用からの乖離度は大きくなる。(高い価格を設定しても需要はそれほど減少しないため)
・短期的な供給の価格弾力性より、長期的な供給の価格弾力性の方が大きい。(価格の変更に対してすぐには供給量を大きく変更することはできないため)
独占企業の利潤(2005年模擬試験)
(この理論も限界費用が供給量の増加に伴い増加することを前提条件としているために理解を困難にしています)
・ 独占企業では、限界収入と限界費用が一致するところで供給量を決めます。
(限界収入は右下がり、限界費用は右上がりとして想定しており、限界収入が限界費用を上回る限り、企業は供給量を増やしていくという理論の組み立てをしています)
・ その供給量が需要曲線に対応するところで価格を決めます。
(完全競争市場では限界収入と需要曲線は一致するのですが、独占市場では需要曲線が価格の高いほうに描かれます)
・ 従って、(限界収入と限界費用が一致する供給量)×(需要曲線の対応する価格―限界収入・限界費用)が独占企業の利潤となります。
屈折需要曲線・・・寡占企業における製品価格の下方硬直性を説明する理論(2005年模擬試験)(2004年本試験)
・一つの企業が価格の引き上げを行うなら、競争企業は追随せず価格を据え置くので、当該企業の需要は急速に減少し、需要曲線の傾きは左上方で緩やかになる。逆に、価格引下げを行うと競合企業追随して引き下げを行うので当該企業にとっては期待したほど需要が伸びず、需要曲線の傾きは右下方で急になる。この結果、需要曲線の傾きは現在の価格で屈折したものとなる。
・需要曲線が屈折しているため限界収入曲線は現在の均衡供給量を境に2つの不連続な直線となる。このため、限界費用曲線がt2つの不連続な限界収入曲線の間を通っている限り、最適な生産量、価格は不変である。
内部補助・・・採算がとれている事業部門が不採算事業部門を援助するものであり、赤字路線が黒字路線から受ける補填をいう。(2003年本試験)
参入阻止価格(2003年本試験)
ラムゼイ価格(2003年本試験)・・・公共料金のような収支均衡条件の制約のもと、社会的余剰を最大化するセカンドベストな価格
HHI(ハーシューマン・ハーフィンダール指数)
企業の業界における集中度を表す指標。シェアの%表示したものを二乗したものの合計
10.
市場と組織
(取引費用概念、プリンシパル・エージェント概念、情報の不完全性)
情報の非対称性(2002年本試験)(2004年模擬試験)
・・・一方が取引に関する深い知識を持ち、もう一方が情報をほとんど持たない状態
逆選択、モラルハザードといった現象を起こす
・「レモンの原理」(逆選択)
・・・品質に関する情報の非対称性が生み出す現象として、低い価値のものばかり市場に流通させ、高い価値のものを流通させないこと
このような現象は通常の自然淘汰とは逆の現象となるため、逆選択とも呼ばれる
・モラル・ハザード
・・・契約相手の行動を十分に把握することができないために、契約することに
よりかえって自分の意図とは反対の行動を相手にとらせるインセンティブを
相手に与えてしまうこと
(例)預金保険があることにより、銀行がリスクの高い融資を行う
プリンシパル(依頼人)がエージェント(代理人)の行動を把握できない
公共財・公共サービスの価格設定(2002年本試験)
・総括原価方式
総括原価=営業費+減価償却費+税金+事業報酬
問題点・・・競争が図られにくく、事業者のインセンティブもつきにくいため、
事業体の効率化が図られにくい